相手の為の質問をする ~質問の力2~
おはようございます!
無から始まる新しいライフスタイルを提案する塩見典子です。
今日はどうしたら「相手のための質問」ができるようになるのかを考えたいと思います。
そもそも「自分の観点に固定された状態」では、相手の話を正確に聴くことができません。
相手と自分はそれぞれ違う観点を持っていますから、表情や言葉ひとつに対してもイメージが違います。
例えば、AさんがBさんに「田舎から美味しそうなりんごが届いたからお一つどうぞ」と差し出した時に、Bさんが顔を曇らせ黙ってしまいました。
AさんはBさんが、りんごが好きではないのかと思い、結局違う人にりんごをあげました。
Aさんは、「Bさんは人から何かもらってもそんなに嬉しくない人だ」と解釈して、その後、Bさんにはお福分けをしなくなりました。
一方Bさんは、Aさんが「田舎から美味しそうなりんごが届いたからお一つどうぞ」とりんごを差し出してくれた時、田舎で入院している母のことが頭をよぎりました。
先月お見舞いに帰った時に聞いた母の言葉がずっと気になっていました。
「あと何回、あなたの顔が見られるかわからないから、近くにいてくれたら嬉しいのだけどね。」
母が今もどんな気持ちでいるのかと考えると、同僚の前で涙がこぼれないようにこらえるのに精一杯でした。そのあと、Bさんはりんごの事はすっかり忘れていました。
後日、Aさんが他の人たちにお福分けをしている姿をみて、「わたしには声がかからないけど・・・気のせいかな?」と距離感を感じるようになってしまいました。
こんな風に、日常の中でもお互いにイメージのズレが起きているのです。
観点が固定していれば、交流するたびにイメージがずれ、お互いに決めつけがひどくなっていくのです。
自分の観点から出発する質問は、自分の中で既に結論が決まっており、期待する答えに誘導するための質問になってしまいます。
答えてもらっても自分の観点で整理して解釈してしまうので、結局相手のそのままの声を聞けないのです。
自分の観点に固定され無い状態になって、初めて相手の観点がみえ、相手のための質問が出来るようになります。
観点が無い世界から観点が生まれる仕組みを使って、観点を自由自在に創造破壊できる認識技術が観術です。
次回は「自分の観点がない」状態からみれば、どのように質問が変わるのかを考えたいと思います。
今日も素晴らしい一日をお過ごしください!
塩見典子